ペキンアヒルの心臓を支配する交感, 副交感, 及び知覚神経細胞の局在
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概要
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心臓の機能は外来性の交感神経系と副文感神経系により調節されている. ペキンアヒルの心臓にトレーサーとして西洋ワサビ過酸化酵素を注入し, 軸索内輸送標識法により標識された神経細胞の局在を明らかにした. 心臓を支配する交感神経節後細胞はC15からT3までの幹神経節に分布し, T1幹神経節に最も多く存在した. 冠状溝と心室は心房よりも多くの節後細胞により支配された. 心臓の左側部はもっぱら左側の幹神経節にある節後細胞により支配されるのに対して, 心臓の右側部は左右両側の神経節から支配された. 延髄で, 心臓を支配する迷走神経節前細胞は疑核と迷走神経背側核に存在し, その細胞数は疑核の方が多かった. 疑核における標識細胞は冠状溝への注入後に多く見られた. 心臓に終末する知覚神経細胞はC15からT2の脊髄神経節と近位及び遠位迷走神経節で観察された. これらの標識細胞が求心性と遠心性の反射路を形成し, 心臓の機能を調節していると思われる.
- 1999-01-25
著者
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内藤 順平
名古屋大学農学部
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大森 保成
名古屋大学農学部
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陳 耀星
中国農業大学獣医学部
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大森 保成
名古屋大学大学院生命農学研究科
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内藤 順平
帝京科学大学理工学部アニマルサイエンス学科脳機能形態分野
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大森 保成
名古屋大学大学院生命農学研究科生物機能分化学講座動物形態情報学研究室
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林 大誠
中国農業大学獣医学部家畜解剖学講座
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陳 耀星
中国農業大学動物医学院獣医解剖学講座:帝京科学大学理工学部アニマルサイエンス学科脳機能形態分野
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Chen Yaoxing
Labroratory Of Animal Morphology And Function Division Of Biofunctions Development Graduate School O
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