網膜視蓋投射に関連したヒヨコ視蓋における層形成の発生学的研究
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概要
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ヒヨコ胚およびヒヨコのほぼ視蓋中央部における層形成を調べた.胚齢6日(E6)では2層, E8胚では5層が数えられ, 視神経線維はE8の終わりまでに視蓋表面を覆った.E10-11胚では視蓋浅部には視神経線維層と密度勾配を示す細胞層が存在するのみで, 層分化は見られなかった.視蓋深部には既に層構造が明瞭に存在した.E12-13胚では浅部は暗い細胞層と明るい細胞層に分かれ, 暗調な細胞層はE14-15で2層に分かれた.更に, E18までに4層(ヒヨコのC-F層に相当)に分かれた.一方、明調な細胞層はE18までは変化せず, E18-20で2層(ヒヨコのA, B層に相当)に分かれた.視神経線維はE8で視蓋実質に侵入し始め, E14までに"retinorecipient zone"の深部まで達した.視神経線維による層形成はE18で最終段階に入り, E20で完成した.線維層は視神経線維が細胞層内の特定の層に集まって形成されるのみではなく, 細胞層内に広がり細胞層を除去しつつ形成されることが示唆された.片眼除去により, 対側視蓋の層形成は不完全ながら形成された.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 2000-02-25
著者
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内藤 順平
名古屋大学農学部
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内藤 順平
帝京科学大学理工学部アニマルサイエンス学科脳機能形態分野
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藤原 明士
名古屋大学大学院生命農学研究科生物機能分化学講座動物形態情報
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大曽根 靖和
名古屋大学大学院生命農学研究科生物機能分化学講座動物形態情報
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