Theileria sergenti寄生牛赤血球の解糖系酵素活性および中間代謝産物濃度
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概要
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Theileria sergenti寄生牛赤血球の解糖系について検討した. 原虫寄生率の増加にともない,エンデン-マイヤーホッフ(EM)経路に含まれる4つの酵素,hoxokinase, phosphofructokinase, pyruvate kinaseおよびlactate dehydrogenase活性とブドウ糖消費率は増加したが,瀉血牛の赤血球では明らかでなかった. またペントース・リン酸(PP)経路に含まれるglucose 6-phosphate dehydrogenase(G-6-PD)および6-phosphogluconate dehydrogenaseは変化しなかった. 一方,両代謝の関連物質であるATPおよびGSHは原虫寄生率の増加にともなって変動したが,一定の傾向はみられなかった. 密度勾配法により分画された感染赤血球の解糖系酵素活性は,G-6-PDを除き寄生赤血球のピークに一致した. 以上の成績から,T.sergenti寄生牛赤血球ではPP経路については不明であるが,EM経路は明らかに亢進していること,またこの現象は赤内型原虫によるものと思われた.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1988-04-15
著者
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八木 行雄
農林水産省家畜衛生試験場
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古内 進
農林水産省家畜衛生試験場製剤研究部
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八木 行雄
北里大学 獣畜
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高橋 秀之
農林水産省家畜衛生試験場東北支場
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高橋 秀之
農林水産省家畜衛生試験場
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古内 進
農林水産省家畜衛生試験場
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八木 行雄
農林水産省家畜衛生試験場東北支場
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