仔豚における寒冷曝露時のアルギニン静脈内投与にともなう血中インスリン, グルカゴンおよび11-ハイドロキシコルチコステロイドの変化
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概要
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去勢雄仔豚を常温環境 (22℃, 相対湿度60%) あるいは寒冷環境 (2℃, 相対湿度60%) において第1, 4および7日にアルギニンを静脈内投与し, 血漿インスリン, グルカゴン, 11-ハイドロキシコルチコステロイド (11-OHCS) およびグルコースの濃度を観察した。常温環境では投与5分後に血漿インスリンが一過性に上昇して17μU/ml (基礎レペル8μU/ml)となり, 血漿グルカゴンも上昇して253 Pg/ml (基礎レペル122 pg/ml) となった。寒冷環境では, アルギニンに対するインスリン, グルカゴンの分泌反応は常温環境におけるよりも増強された。血漿11-OHCSの常温環境下でのアルギニン投与前の値は6.5μg/m1であった。寒冷暴露により, 11-OHCS値は上昇し, 曝暴露第4日 (11.9μg/dl) および7日 (9.4μg/dl) の値は常温環境のそれにくらべて有意に高かった。アルギニン投与により, 常温環境では血漿11-OHCS値は投与直後に一時減少し, 血漿グルコース濃度も投与15分後には低下したが, 寒冷環境下ではこれよりさらに低い値を示した。このような仔豚の寒冷環境におけるアルギニン投与に対するインスリン上昇反応はめん羊のそれとは異なる所見であった。
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1984-04-01
著者
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