Fusobacterium necrophorum接種牛における肝膿瘍の超音波所見
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
Fusobacterium necrophorum培養菌液を8〜14ヶ月令のHolstein牛8頭の肝内門脈に, 超音波映像下穿刺法によって, 経皮・経肝的に接種した。3頭は菌接種後2〜14日で死亡し, 肝に壊死巣が密発していた。他の5頭では, 接種後12〜126日の剖検時に1〜20個の肝膿瘍がみられた。急性期死亡牛では, 接種後2〜6日で肝壊死巣に対応する高エコー斑塊が認められた。肝膿瘍形成牛では, 接種後5〜10日に肝画像に膿瘍所見がみられ, 壊死塊に対応する高エコー塊を囲んで肉芽組織に対応する低エコー量 (ハロー) が認められた。このハローパターンは直径約1cmの小さい膿瘍でも確認でき, 一部の例では, 中心の高エコー塊はしだいに消失し, 肉芽組織と被膜 (等または低エコー) のみの残存に対応する単純な低エコー球となり, 接種後50〜70日では瘢痕 (等または低エコー) 形成に対応して画像中に指摘できなくなった。ハローパターンのまま側方陰影を伴って長く残存する例もあり, 低エコーパターンを示す膿汁は無エコーパターンとはならなかった。
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1987-08-15
著者
関連論文
- 乳頭糞線虫の実験的濃厚感染による子牛の心臓突然死
- Theileria sergenti実験感染牛リンパ節におけるシゾントの発育
- Theileria sergenti感染牛にみられたシゾントの組織学的観察
- 子ブタのエンドトキシン血症での肝臓と腎臓病変におけるアポトーシスの関与
- 家畜衛生研修会(病性鑑定病理部門, 1997)における事例記録(II)
- 免疫組織学的染色法によるTheileria sergentiシゾントの検出(短報)
- めん羊および牛の実験的大脳皮質壊死症の脳波変化
- Fusobacterium necrophorum接種牛における血清シアル酸
- Fusobacterium necrophorum接種牛における肝膿瘍の超音波所見
- 実験的大脳皮質壊死症の緬羊における生化学的及び病理学的所見の経時的変化(短報)
- 実験的大脳皮質壊死症の緬羊および牛における経時的な生化学的変化ならびに病理学的所見
- 鶏における呼気酸素濃度曲線の変形波の発生と気道閉塞
- 正常鶏にみられる呼気酸素濃度曲線の変形波