堆積へどろ調査機器の開発とそれによる調査例

概要

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河川・港湾等に堆積するへどろの深さ方向の分布特性を詳細に把握する目的で著者らが試作した, 浮遊泥の存在をも確認できる高感度コーン貫入試験機と固定ピストン・ツイスト式コンポジットサンプラーによる精密実態調査結果の報告である。調査対象は名古屋市南区にある大江川の2地点である。これら2つの調査機器の併用によれば, 従来ほとんど明らかにし得なかった堆積へどろの深さ方向の力学的・物理的・化学的性質の状況を把握することができた。それらの要点のいくつかを摘記すると次のようになる : (1)高感度コーン貫入試験機を用いれば水中を漂う浮遊へどろの存在も確認できる。また, 浮遊へどろ層の下に存在するへどろは沈積へどろ層と圧密へどろ層に分けられる。(2)サンプラーの試験採取率は押込み長さが70cm程度までであれば98%以上が期待できる。(3)大江川の場合, 自然含水比は沈積へどろ層の上部で700%以上, 圧密へどろ層で300%程度であった。(4)自然含水比が300%より大きくなると貫入抵抗は急激に減少し, 500%以上では20gf/cm^2{1.96kPa}以下となることが見られた。
社団法人地盤工学会の論文
1982-06-15