不確定性の定式化と分析 : 3.土と土構造物
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本文は盛土や掘削などのいわゆる土工問題を主たる対象として, これらの設計・施工段階に存在する不確定性の発生場所とその原因を考察するとともに, 対処方法として現場観測を導入した動学的な信頼性設計法の概念を紹介したものである。まず土工問題の特徴は(1)材料としての土の性質にばらつきが大きく, かつ, どの設計もどの現場も同じものはない, (2)理想化された理論にのりにくい, (3)橋梁や建築構造物に比べると施工中の設計変更が比較的容易, 等である。こうした特徴を考慮すると, 施工中の観測結果を目の前の設計・施工に生かしていく, "動学的な信頼性設計法"が不確定性の対処方法として極めて有効なものとなる。この方法は事前設計段階と事後設計(施工)段階とに分かれ, 前者においては土質のばらつきなどの不確定性の条件のもとで, 確率統計論や意志決定理論を適用して, その時点における最適の案を決定する。また後者の段階では, 事前設計段階でカバーできなかった不確定性や, 施工中に新たに発生した不確定性に, 施工中の各種観測結果を用いて対処しなおす方法である。
- 社団法人地盤工学会の論文
- 1982-06-15
著者
関連論文
- 理論の設計への適用に関する研究
- 配水管の最適制水弁間隔の決定に関する研究
- EARTHQUAKE DAMAGE AND METHODOLOGY OF DESIGN OF SMALL DIAMETER PIPELINES
- 配水管の最適制水弁間隔の決定に関する研究
- Procedure of Slope Failure Prediction during Rainfall based on the Back Analysis of Actual Case Records(鈴木寿他著本誌28巻3号,1988年9月掲載)
- PROCEDURE OF SLOPE FAILURE PREDICTION DURING RAINFALL BASED ON THE BACK ANALYSIS OF ACTUAL CASE RECORDS
- STUDY ON RELIABILITY-BASED DESIGN OF IMPROVEMENT OF CLAY LAYER BY SAND COMPACTION PILES
- USE OF CHARTS FOR RELIABILITY-BASED DESIGN OF EMBANKMENTS ON SATURATED CLAY LAYER
- 不確定性の定式化と分析 : 3.土と土構造物
- 粘性土地盤の深い掘削に関する信頼性設計
- PREDICTION OF FAILURE OF EARTH RETAINING STRUCTURE DURING EXCAVATION WORKS
- A DESIGN METHOD OF DEEP EXCAVATION IN COHESIVE SOIL BASED ON THE RELIABILITY THEORY
- DIAGRAM FOR CONSTRUCTION CONTROL OF EMBANKMENT ON SOFT GROUND
- 盛土の情報化施工とその評価に関する研究
- 盛土の情報化施工とその評価に関する研究
- 盛土の設計に関する経済的評価
- 盛土の設計に関する統計的考察
- 土質調査の規模決定に関する研究
- ECONOMICAL EVALUATION OF EMBANKMENT DESIGN
- 切盛土の安定に関する信頼度分析
- PROBABILISTIC APPROACH TO DESIGN OF EMBANKMENTS
- 不飽和土の土質諸係数と破壊確率に関する一考察
- 盛土の破壊確率を考慮した土質調査規模の決定法について
- 盛土建設のための土質調査と盛土の安定性に関する研究
- 基礎の引揚げ抵抗力の算定法と粘性土中の基礎の現場引揚げ試験の解析
- 信頼性設計の考え方と問題点
- 沈下予測に関する統計的考察
- 土質調査の規模決定に関する研究
- 切盛土の安定に関する信頼度分析
- 不飽和土の土質諸係数と破壊確率に関する一考察
- 盛土の破壊確率を考慮した土質調査の規模決定法について
- 盛土建設のための土質調査と盛土の安定性に関する研究
- 底部拡幅施工法による基礎の引揚抵抗力について
- 基礎の引揚抵抗力算定式の新しい展開と斜面内基礎の抵抗力について
- 砂柱を含む粘土の力学的性質に関する研究
- 粘性土中の基礎の引揚抵抗力に関する研究
- 送電用鉄塔基礎の引揚抵抗力について