理論の設計への適用に関する研究

概要

論文の詳細を見る
今日, 設計に多く利用されているMarston-Spanglerの埋設管公式について問題点として鉛直スベリ面の仮定, 主働土圧を用いること, 内部摩擦角が一杯に働くとすること, 沈下比の決め方などがあることを指摘し, 硫安を利用した室内実験の結果から, まず溝型鉛直土圧を計算する場合の設計の考え方は変形の面からみて疑問があるとした。しかし突出条件や土カブリ圧に基づく設計法は合理性が認められること, 同時に何れの方法を適用するかの判断が重要であるとしている。またSpangler法でK=tan^2(π/ψ-φ/2), μ=tanφとするとK_μはφの変化に対してもあまり変わらず, K=K_0(静止土圧)とすればK_0μ_m(μ_m=tanφ_m)は(Kμ)_<max>より大きくなりえて, その結果, Spanglerの突出時応力は最小な値をとることがわかり, したがって設計上危険であることを指摘した。上記φ_mは, 埋設管周囲の土のゆるみ方に応じた間ゲキ地に対応する内部摩擦角であるが, 経験時に知られた0〜φ_mの関係よりK_0μ_mの取り得べき範囲についても考察し, それによる計算結果を実例と比べている。
1977-09-15