飽和砂の繰り返し載荷による液状化現象の研究

概要

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飽和した緩い砂が, 比較的速い繰返しせん断を受けた場合に生じる液状化現象は, 間隙水圧の上昇による有効応力の減少に起因する破壊であるという観点から, 液状化発生を支配する諸要素の相互関係について定量的な検討を行っている。まず, 地震時に地中の土要素が受ける応力状態を簡単化して与え, これに所定のせん断応力を繰り返して加えた際に飽和砂中に発生し, かつ累加していく過剰間隙水圧について考察している。次いで, 液状化は土要素に加わる有効垂直応力が次第に減少し, やがて破壊包絡線に到達する過程と解釈して, 液状化発生に要する繰返し回数をせん断応力と垂直応力の関数として表示している。更に, この提示式の検証を目的として行った鉛直応力一定の条件での三軸繰返しせん断試験結果並びに繰返し単純せん断試験のデータの検討を行って, この式が各種の実験結果を矛盾なく説明できることを示している。また, 液状化を支配する二つの係数は砂の密度, 粒径, 粒形などで決まるが, 密度が高くなるとこれらの値はともに小さくなることも明らかにしている。
1979-12-15