フィルダムの堤体震度に関する一考察
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概要
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フィルダムにおける堤体震度は, 基盤震度に等しくとることになっている。しかし, フィルダムの地震観測や模型実験によると堤体震度は基礎震度よりかなり大きい例が報告されている。ただし地震観測データには設計に考慮するような大きな地震のデータは皆無である。したがってこのような大きな地震に対する堤体震度を何らかの手段によって推定する必要がある。模型実験結果をフィルダムに適用し基盤震度0.2のときの仮定した周期の地震動に対応した堤頂の震度を推定しダムの一次共振周期に近接した卓越周期の地震動に対しても堤頂の地動増幅率が高々3〜4倍であることを示した。しかし実際の堤体震度は堤体基盤に入る地震動の卓越周期がわからなければ推定できない。これまでの諸資料から14個のダムについて基盤の地震資料を77個集め, ダムの基盤の地震動加速度の卓越周期を推定する式を導びいた。この式を適用して, マグニチュードが7,7.5,8の3種類の地震に対し基盤震度が0.2の場合の堤頂の地動増幅率を計算すると平均してロックフィルダムは1.6,アースフィルダムでは1.94の値となった。
- 1976-09-15
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