フィル・ダムの動的解析
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概要
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本報告はフィルダムの耐震設計上必要な堤体内の加速度分布や応力分布を推定するための動的解析の一事例を示し, 動的解析に用いる堤体材料の動的変形特性および解析結果を述べたものである。まず, 9個のフィルダムについて岡本教授が求めた堤軸直交方向の固有振動周期から堤軸直交断面全体の平均セン断弾性率を松村博士の解を用いて求めた。次に詳細な弾性波速度試験を行ない, 弾性論の速度公式を用いて堤体内の弾性定数の分布を求めた。これらの結果はきわめて小さなヒズミに対応したものであるので, 激震時の状態に相当するものとして, 振動三軸圧縮試験を行ない, 解析を行なった結果, 土の粘弾性定数には荷重依存性が顕著に認められた。さらに, この結果を用いてロックフィルダムの地震応答解析を行ない, 地震時のある瞬間の弾性率の断面内分布を等弾性率曲線として描くと, 先の弾性波試験の結果と傾向的にかなり似ており, 絶対値もかなり近い値となっている。最後に, ロックフィルダムの有限要素法による解析例を示し, 今後の課題もあわせて述べている。
- 1976-06-15
著者
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