フィルダムの模型実験ならびに実在ダムの地震観測による震動解析手法の信頼性の検証

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概要

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本論文はすでに提案し, 数値実験により妥当性を証明した動的解析法を模型実験と実在ダムの地震観測値によって検証し, 信頼性を確認したものである。実在ダムの地震観測値は, 詳細な観測が行なわれ, 堤体物性が明らかになっている喜撰山ダムについてのものを採用した。計算結果は仮定する物性値に大きく依存するが, 模型の物性値をその堤体内位置ごとに初期応力依存性, ヒズミ振幅依存性に関して測定することはきわめて困難である。従来の土の動的特性値の表現の研究をもとに, 模型の共振実験結果から模型の動的特性値を決定した。このようにして検証した結果, 模型実験と数値解析との一致の程度はかなり良いものであった。また実在ダムの地震観測の結果と数値解析の結果とは, 計算がいくつかの単純化された条件下で行なわれたにもかかわらず, 非常によく一致していた。このことよりすでに提案した計算手法は材料の力学定数さえ正しければ, 非常に信頼性の高い数値解を与えるものと言える。
1976-09-15

著者

渡辺啓行
Dept. Of Civil And Environmental Engineering Saitama University

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