第三系堆積岩の強度・延性度の年代・地域による差異について

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岩石の強度は採取深さ, 地質年代の古さに相関するが, 相関の程度は種々である。これは岩石の圧緊(圧密その他)による。泥質岩がこれをもっとも鋭敏に反映する。岩石三軸試験において, 側圧が大になると強度を増すとともに延性が増す。比較的時代が新しく, やわらかいタイ積岩では側圧を増していくと20気圧まではゼイ性的であるが降伏現象はみられず, 最初から流動的に変形する(粘延性と仮称)。粘延性にうつる側圧の大きさは岩石によって異なり, 第三系のタイ積岩の変形様式はそのタイ積岩が過去に受けた有効静水圧の大きさを示すと考えられることから, この大きさを推定した。側圧と強度との関係でゼイ性領域と粘延性, 延性領域に分けられるが, これらの境界は岩石の種類によって違うらしい。ゼイ性から延性への転移が漸移的に起こるように, 断層とシュウ曲のあるものは漸移的に移行する可能性があり, 断層は一つの面として生じるのではなく, 最初は微小割れ目の集合した変形帯として生じ, これが断層に発達していくことが実験で観察される。岩石の力学的性質は地質学的な造構運動の歴史によって影響され, また逆に岩石の力学的性質の変化が造構運動にも影響を与える。
社団法人地盤工学会の論文
1972-12-15

第三系堆積岩の強度・延性度の年代・地域による差異について

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