水田に発生するヒエ属雑草の数種除草剤に対する感受性
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概要
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わが国の水田に発生するヒエ属雑草はイヌビエ(Echinochloa crus-galli (L.) Beauv. var. crus-galli),ヒメタイヌビエ(Echinochloa crus-galli (L.) Beauv. var. formosensis Ohwi),タイヌビエ(Echinochloa royzicola Vasing)があり,これら種間,変種間の除草剤に対する感受性の差異については必ずしも明らかではない。一方,諸外国ではヒエ属雑草の除草剤抵抗性バイオタイプが数多く報告されている。そこで,わが国の水田に発生しているイヌビエ,ヒメタイヌビエ,タイヌビエを採集して自殖させた後に,これらノビエの6種の除草剤に対する感受性の違いを地上部生体重に対する影響や90%生育阻害薬量により検討した。その結果,pretilachlor,molinate,benthiocarb,mefenacetの場合,イヌビエ,ヒメタイヌビエ,タイヌビエの90%生育阻害薬量はほぼ同様であり,感受性に差が認められなかったが,pyriftalid,oxaziclomefoneの場合は感受性の低い系統が認められた。しかし,供試したいずれの除草剤ともイヌビエ,ヒメタイヌビエ,タイヌビエの90%生育阻害薬量は標準使用薬量以下であり,これら除草剤の標準使用薬量でのノビエ種間および系統間に感受性の差はないものと考えられた。また,ポットにおいてpretilachlor,molinate,mefenacetの3除草剤により3年間連続散布してイヌビエ,ヒメタイヌビエを淘汰した結果,残存個体の各除草剤に対する感受性の変化は明らかではなかった。
- 日本雑草学会の論文
- 2004-03-31
著者
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