羊ヘルペスウイルス-2の伝達試験(ウイルス学)

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羊型悪性カタル熱の病原体である羊ヘルペスウイルス-2(OvHV-2)について,羊における伝達試験を行った.ほとんどの羊はOvHV-2に持続感染しているため,新生羊を生後5日以内に母羊から隔離し人工哺育することにより,OvHV-2陰性羊を作出した.それらの羊を用いて,0vHV-2陽性羊との同居または鼻汁の経鼻投与により,感染が成立するかどうか調べた.同居試験では,1)3歳雄羊,2)3歳雌羊,3)7〜8歳雌羊をそれぞれ陰性羊と同居させた.周産期に持続感染ウイルスが活性化するという説もあるため,2)3)の試験では妊娠羊を用い,試験期間中に出産させた.しかし,いずれの試験においても陰性羊はOvHV-2に感染しなかった.それに対し,4)感染直後の3ヶ月齢子羊,5)感染直後の7ヶ月齢子羊と同居させた陰性羊は,10〜12週後に感染が確認された.さらに,陽性羊の鼻スワブを陰性羊の鼻腔に注入した伝達試験においても,1〜3)の成羊鼻スワブからは感染しなかったが,4,5)の子羊鼻スワブを用いた場合には感染が成立した.この試験により,鼻スワブによるOvHV-2の伝達が初めて確認された.また,初感染から間もない子羊は感染性のOvHV-2を排出し,容易にウイルスを伝達するが,感染から時間の経った成羊では伝達しにくい事が示唆された.
社団法人日本獣医学会の論文
2004-10-25

羊ヘルペスウイルス-2の伝達試験(ウイルス学)

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