汁液分析を用いた立毛中のトウモロコシ(Zea mays L.)の硝酸態窒素濃度推定法

概要

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原田らにより提案された黄熟期のトウモロコシの硝酸態窒素濃度が濃度因子(茎の新鮮物あたりの硝酸態窒素濃度)と希釈因子(茎の乾物分配率を茎の乾物率で除した値)の積で近似計算できる方法を利用して,乾物あたりの硝酸態窒素濃度を推定する方法について検討を行った。濃度因子は茎の地際からの高さ50cm部位の切片汁液中の硝酸態窒素濃度と有意な相関があり(相関係数0.871.p<0.001),両者の関係から以下の回帰式を得た。Y=0.45X+0.008,このときYは濃度因子を示しており,Xは茎の50cm部位の切片汁液中の硝酸態窒素濃度を示している。また,希釈因子はミルクライン降下度の増加にともなって,減少することが原田らにより報告されている。そこで,希釈因子をミルクライン降下度より推定する表を作成した。推定した両因子の積は乾物あたりの硝酸態窒素濃度の実測値とよく一致していた(決定係数0.774)。また,汁液中の硝酸態窒素濃度の簡易分析法としてRQフレックスの利用を検討した結果,適用できることが明らかとなった。
日本草地学会の論文
1999-10-31