国際標準記録史料記述一般原則 : ISAD (G) (General International Standard Archival Description) : その基本構造・考え方と問題点
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概要
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ここ10年ほどの間に記録史料記述の標準化がかなり進んだ。すなわち、ICAは、1992年に記述標準の基礎となるマドリッド原則を採択し、1994年に記述標準であるISAD (G)、1996年に典拠レコード標準であるISAAR (CPF) を相次いで刊行した。一方、米国では、SAAが、1995年に記録史料記述のマークアップのためにEADの開発に乗り出し、1998年にこれの初版をリリースした。このような動きの中、2000年にISAD (G) の第二版が刊行された。第二版は初版と同様な構成をとるが、例示や付録が充実しており、初版の約3倍の分量となっている。その記述要素は初版と同数であるものの、かなり変更されている。ISAD (G) の特徴は、記録史料のコンテクスト・出所を重視し、それゆえ、フォンズという群れで記録史料をとらえる点にある。その記述様式には、フォンズの階層性を反映したマルチレベル記述が採用されている。残念ながら、日本における記録史料記述は、一般に、ICA標準(の考え方)に基づくものではない。情報メディアをメッセージとキャリヤーの複合体として把握すべきという筆者の立場からは、ICA標準には、メッセージの筋目とキャリヤーの筋目の別が明確になっておらず、この点による混乱があるように観える。今後はこの点を意識して、混乱の糸を解きほぐすことが求められよう。
- 記録管理学会の論文
- 2002-03-31
著者
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