イギリスにおける印刷ビラと見出し書体 : 1477年から1871年までの変遷
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本稿では、イギリスの印刷ビラと見出し書体について15世紀後半から19世紀後半までの変遷を考察した。その結果、以下の結論が得られた。1)産業革命以前、印刷ビラの大半は公告ビラであり、それらの見出し書体には、主にオールド・スタイル・ローマン体が用いられていた。2)産業革命期には、広告用印刷ビラの需要が増大した。19世紀初頭に、大型で超特太、モダンで目立つ見出し専用書体が創出された。これらの書体は、好評を博し、イギリスは、見出し活字書体の分野で世界をリードすることになった。3)初期のビラ用見出し書体は、タイプフェイス・デザイナー達に大きな影響を与え、彼等は、新たな見出し書体を多数デザインした。その結果、イギリスでは、独自のタイポグラフィの世界が発展した。そして19世紀中期にイギリスの印刷ビラは、最盛期を迎えることとなった。
- 2002-09-30
著者
関連論文
- 今日の日本のタイポグラフィ教育(タイポグラフィ研究の現在)
- G03 アメリカ活字鋳造会社の設立とゴシック体活字の発達(タイポグラフィ,「想像」する「創造」〜人間とデザインの新しい関係〜,第56回春季研究発表大会)
- G02 和文ゴシック体創出の研究経緯(タイポグラフィ,「想像」する「創造」〜人間とデザインの新しい関係〜,第56回春季研究発表大会)
- 今日の日本のタイポグラフィ教育
- D06 初期「韓英字典」の刊行に伴う活字書体の歴史的変遷(グラフィックデザイン、タイポグラフィ, 第54回研究発表大会)
- C16 活版印刷による「韓佛字典」の刊行とタイポグラフィ(グラフィックデザイン, タイポグラフィ, 平成17年度日本デザイン学会第52回研究発表大会)
- イギリスにおける印刷ビラと見出し書体 : 1477年から1871年までの変遷
- 英国における1800年前後のビラのタイポグラフィ(口頭による研究発表概要)
- 日本語フォントのイメージ評価 : 発想を支援するフォントデータベース2
- 発想を支援するフォントデータベース : 日本語フォントのイメージ調査例
- 日本語フォントのイメージ調査のための書体分類
- 書体「ファット・フェイス」の形態形成
- 書体「ファット・フェイス」出現の要因
- 日本最初の国際的グラフィック・デザイン : 『蘭字』, 著者 井手暢子, 電通, A4, 120頁, \9,000, 1993.4.1(会員寄贈著書紹介)
- サンセリフ書体の研究[8] : 19世紀のサンセリフ書体について(口頭による研究発表,第39回研究発表大会)
- サンセリフ書体の研究〔7〕 : ゴシックというサンセリフ書体の名称について(口頭による研究発表,第38回研究発表大会)
- 『ジョセフ アルバースの視覚世界-直線のみで-』, 著者ジョセフ・アルバース,フランソワ・ブシェ, 訳者首藤順蔵, 玉川大学出版, A4変, 112頁, 3,200円, 1988.12.25
- 日本国官報初出の和文ゴシック体(タイポグラフィの史的研究)
- 日本国官報初出の和文ゴシック体