ジャワクシヒゲカ : 新分布記録, 幼虫再記載およびアジアとオセアニアにおけるクシヒゲカ亜属イエカ幼虫の検索表

概要

論文の詳細を見る
1981年12月に, フィリピンの最高峰アポ山(ミンダナオ島)の, 高度約1,500∿2,000mの森林内に設置したオビトラップの中から, クシヒゲカ亜属のイエカCulex (Culiciomyia) sp.の幼虫がZeugnomyia aguilari, Mimomyia deguzmanae, Tripteroides powelli, Uranotaenia modestaなどの幼虫とともに多数採集された。当時は種名不詳のままいちおうCx. sp.として報告したが, その後, Cx. javanensisジャワクシヒゲカ(新称)の記載や1986年にマレーシアで採集した同種の幼虫と比較したところ, その特徴がほとんど一致したので, ここにフィリピンのミンダナオ島とマレーシアのゲンチン高地をこの種の新分布地として記録した。なお, この幼虫の形態については従来詳しい記載がなかったので, 改めて再記載を与えた。また, 南太平洋からカシミールに至るアジアおよびオセアニア産のクシヒゲカ亜属イエカのうち, 幼虫が知られている全28種について4齢幼虫の検索表を初めて作成し, 今後の研究に便ならしめた。
日本衛生動物学会の論文
1989-12-15