樹洞に発生する蚊群集の生態学的研究
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概要
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樹洞に発生する蚊群集の季節的変化と空間的な変異を, 長崎市金比羅山において1988年10月から1989年10月に調査した。31の樹洞を17回調査した結果, 8種類の蚊幼虫の発生が観察された。観察された種類は個体数の多い順に, キンパラナガハシカ, フタクロホシチビカ, ヤマトヤブカ, ヒトスジシマカ, オオクロヤブカ, キョウトクシヒゲカ, ハマダラナガスネカ, シロカタヤブカであった。各樹洞に発生する蚊群集を比較し, 種類構成の異なる2組の樹洞が区別できた。これら2組の樹洞における蚊幼虫の発生頻度と樹洞の形質を比較した結果, 大容量で, 乾燥しにくく, 上方に大きな開口部があって樹洞内の水面が容易に見える樹洞が, 樹洞発生性蚊の発生場所として好適であり, またヒトスジシマカはこのような樹洞を比較的よく選択することが示唆された。
- 1994-06-15
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