悪性神経膠腫の手術における腫瘍内201塩化タリウム測定の有用性
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概要
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Thallium-201chloride(^<201>TlCl)は静注すると, 悪性脳腫瘍に取り込まれることがsinglephoton emission computed tomography(SPECT)により明らかである.われわれはSPECTにて陽性像を確認したglioblastoma2例とanaplastic astrocytoma5例について術中切除した組織と非腫瘍組織と考えられる部分の組織内^<201>TlCl(cpm)放射線量の比(Tl ratio)を算出して, リアルタイムにその組織に腫瘍が含まれているかどうかを検討した.同一組織のホルマリン固定H&E染色標本より, 組織の断面積に占めるグリオーマの悪性所見を示す部分の割合(tumor ratio)を計算したところ, 7例中5例でTl ratioとtumor ratioがよく相関することが判明した.この結果, Tl ratioの高い組織は腫瘍組織を多く含むという結論を得た.anaplastic astrocytoma以上の悪性像を示す腫瘍部分を可能なかぎり多く摘出するためには, Tl ratioが1.3以下の組織まで切除されるべきであると考えている.また, 逆にTl ratioが1.8を超える部分を残した時は早期に再発する可能性が高いと考えている.手術における腫瘍範囲の決定に際して術中^<201>TlCl測定は簡単で, しかも結果がリアルタイムにでるために切除範囲の決定に有用であると考えている.
- 日本脳神経外科コングレスの論文
- 1998-10-20
著者
-
山本 勇夫
横浜市立大学脳神経外科学
-
山本 勇夫
横浜市立大学脳神経外科
-
山本 勇夫
横浜市立大学
-
小嶋 康弘
横浜市立大学脳神経外科
-
小嶋 康弘
金沢病院脳神経外科
-
山本 勇夫
横浜市立大学 医学部脳神経外科学教室
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