AVM全摘出術の痙攣に及ぼす影響 : 長期経過観察例における検討
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概要
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脳動静脈奇形摘出後の痙攣発作の予後について長期にわたり観察した報告は少なく,その結果も一定していない.今回は1979年以降に手術を行った196症例を対象とし,(1) 術前より痙攣発作を有するAVM症例において摘出術が痙攣のコントロールに及ぼす影響,(2) 術前に痙攣発作を有しない症例において,摘出術の痙攣発作の発生に及ばず影響に関して検討した結果,以下のような結論が得られた.1)AVM摘出術により術前よりある痙攣発作が悪化することは稀で,逆に術後に発作が消失したり改善して, コントロールが容易となる症例が多い.2)AVM摘出術により新たに痙攣発作が誘発されることは少なく,また痙攣を発症しても難治性のことは稀で,コントロール容易なものが多い.特にAVM摘出術早期に発生する痙攣発作は一過性のことが多く,その後の痙攣発作の予後を予測しない.
- 日本脳神経外科コングレスの論文
- 1994-01-20
著者
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玉木 紀彦
神戸大学医学部脳神経外科
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頃末 和良
兵庫県脳神経外科医懇話会
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頃末 和良
神戸大学医学部脳神経外科学講座
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原 淑恵
神戸大学医学部脳神経外科
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原 淑恵
神戸大学脳神経外科
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Hiros Roberto
Department of Neurosurgery, University of Minesotta
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Hiros Roberto
Department Of Neurosurgery University Of Minesotta
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玉木 紀彦
神戸大学医学部 脳神経外科
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