エアパック式脳べら圧測定用受圧部の試作
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概要
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脳べらによる脳の圧排は, 脳深部の手術時には必要かつ重要な操作であるが, 過大な力や長時間の脳の圧排は術後の重篤な合併症をきたす.しかし現在, 手術中に術者が脳べらによる脳圧排圧(脳べら圧)を知ることはほとんど不可能である.この理由は, これまで術中に使用できる使い勝手のよい脳べら圧の測定器が存在しなかったためである.今回著者らは, エイエムアイ社製エアバック式衣服圧測定器脳べら圧測定用に試作した.開発したエアパック式脳べら圧測定器の特徴は, 圧の伝導物質として空気を使用していることである.この脳べら圧測定器とそのシステムに対し精度実験(校正実験)を行い, 臨床上の条件で実用的な測定が可能であることを示した.本試作品は作製が簡単で各種の脳べらに対応でき, 装着も簡単である.材質は0.035mmと薄く, 受圧部の厚さは空気を入れた状態でも1mm以下であるため, 術中操作の邪魔にならない.また脳べらの移動に伴う校正は必要がなく, わずらわしさがない.そのうえ受圧部の作製は安価で, 経済性の面でも有利と思われた.
- 日本脳神経外科コングレスの論文
- 1998-07-20
著者
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清水 隆
埼玉県済生会栗橋病院脳神経外科
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清水 隆
埼玉県済生会栗橋病院リハビリテーション科
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猪野 裕通
埼玉県済生会栗橋病院脳神経外科
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清水 隆
埼玉県済生会 栗橋病院
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小南 幸哉
株式会社エイエムアイ
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