近畿防空演習に見たる僞装の諸形態

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昭和9年7月24日より同月28日に亘る近畿防空演習に際し、筆者等は調査の爲め夫々東京工業大學及び警視廳より出張を命ぜられたが、兼ねて建築學會からも之に關する調査委員を委囑された。本報告は筆者等が京阪神に於ける建築學會地方委員藤井厚二氏、竹腰健造氏及び古宇田實氏と連絡を計り、特に竹腰健造氏を部長とする日本建築協會の演習部員と協力して調査せる資料に基き、今囘の演習中特に昭和8年夏の關東防空演習に比して相違せりと認めらるゝ點を先づ列擧し、次に其の最も顯著なる特徴とみらるゝ僞装並に遮蔽に關して調査し得たる所を述べたものである。僞装・遮蔽に關する調査區域は大阪市を中心として京都、神戸、境の諸市に亘つてゐるが、茲には筆者等の撮影せる寫眞を主とし、夫々の僞装又は遮蔽に用ひられたる方法を簡單に説明すると共に之に對する感想を述べた。但し之等の感想は筆者等の合議による主觀的なもので、科學的に深い根據のあるものではない。尚僞装・遮蔽の撮影には試みとして一部に赤外寫眞並に航空寫眞を用ひたが、赤外寫眞は『さくら赤外フイルム』『ウルトラジン7號フイルター』及び指定現像液使用、航空寫眞は大阪朝日新聞社プスモス機高度約400mより普通撮影したものである。昭和9年10月4日建築學會通常講演會の席上、表記の題目に就て著者の1人が講演せるものは、本文内容の一端である。
社団法人日本建築学会の論文
1935-06-05

近畿防空演習に見たる僞装の諸形態

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