慶州を中心とせる新羅時代石燈論
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本論文は著者の學位請求論文「朝鮮建築史論特に慶州を中心とせる新羅時代佛教建築に就て」第三編石燈論の全文である。全3章に成り、第1章序論、第2章實例。慶州郡に於ける石燈38種に就き、其の完存不完存に論なく盡くを資料として、其の各個に就て所存地、現状、年代、實測値竝びに實測結果に依る各部比例を究め、造型技術上の優否を論じ、第3章結論に入る。全4節に分れ、第1節總説に次いで、第2節を高度論とし、石燈の高度を比較するに高さ15尺以上の者約3基あり、他は總じて10尺前後を一般とする。尤も高さに於いては他郡に華嚴寺覺皇殿前石燈の如き日本支那にも見ざる大石燈のある事を指示してある。第3節様式論とする。先づ一般型、變型、特殊型の三型に分け、其の各型に就き細説し、特に一般型は地臺石の相違により二類に分つものとなす。最後に新羅石燈型式は後代へ傳承せられ格別の發展を見ざるも、高麗時代に方形平面の角燈を出せるを顯著なる功績とした。第4節を比例論とし、38基の石燈の各比例を平均したる平均比例を求め以て其の通則を推したが、完存する石燈尠少で其の完結を期し難いので、改めて一般型石燈の代表者で且つ優秀なる佛國寺大雄殿前石燈に就いて地臺基部の幅を基準長1とした場合の各部の比例を求め、其の數値的にも幾何圖型的にも簡單なる解析結果の得られる事を明にして論を終わつた。
- 社団法人日本建築学会の論文
- 1934-03-05
著者
関連論文
- 行く世紀、来る世紀建築界の源流から、21世紀の都市まで
- 平出遺跡 : 古墳、長野県(戦前〜戦後における遺跡復元(1))(古代建築の復元)
- 近代建築の黎明期 : 大正末から昭和初期の建築界
- わが建築青春記(10)
- 田辺秦君の想い出
- 文化財と自然をめぐる保護と破壊
- 受賞の感
- 中尊寺伽藍の研究と金色堂の修理史
- 平出集落址に於ける住宅の復原
- 文化財保護の將來
- 11) 史上に見る取材と運搬路
- 學位請求論文審査報告(新工學博士 堀口捨已君,時報)
- 映畫による建築記録に就て
- 塚本先生の思ひ出
- 建築史界の展望
- 隱岐の建築
- 噫 恩師關野先生
- 門弟一同總代の弔詞
- 壹岐・對馬の建築
- 朝鮮慶尚北道聞慶郡、醴泉郡、尚州郡其他の新羅時代建築を論じ、併せて本道内新羅時代建築の一般性に及ぶ
- 平泉中尊寺の構想と現実
- 朝鮮慶尚北道安東郡及び榮州郡に於ける新羅時代建築に就いて
- 日本建築工匠技術の一研究 : 近江大工と其の技術
- 慶州を中心とせる新羅時代變型三層石塔、五層石塔及び特殊型石塔
- 慶州を中心とせる新羅時代一般型三層石塔論
- 慶洲を中心とせる新羅時代石塔の綜合的研究
- 慶州を中心とせる新羅時代浮屠・石井・石槽論
- 慶州を中心とせる新羅時代石燈論
- 朝鮮慶尚北道達城郡、永川郡及び義城郡に於ける新羅時代建築に就いて
- フランス・スヰス・イタリア・スペイン アルゼンチン
- 建築モダニズム
- 古代の建築技術に就て
- 朝鮮建築史論 其五
- 朝鮮建築史論 其四
- 朝鮮建築史論 其 三
- 朝鮮建築史論 其 二
- 朝鮮建築史論 其 一