東アジア産ウマノスズクサ属植物8種の染色体数
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概要
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本稿では, 日本, 台湾, 中国, 朝鮮半島等に分布するウマノスズクサ属(Aristolochia)植物8種の染色体数と中期染色体の形態について報告する。このなかの5種については初めての報告である。また, 2種については従来の報告と異なる結果が得られた。今回観察した8種のうち, Siphisia亜属に属する7種(A.kaempferi, A.onoei, A.liukiuensis, A.cucurbitifolia, A.shimadai, A.westlandii, A.mandshuriensis)はいずれも2n=32で, Aristolochia亜属に属するA.debilisは2n=14であった。これまで同属では, 2n=8,10,12,14,16,24,28,32などの染色体数が報告され, そのなかで2n=32は北米の1種で一度報告されたのみで極めて希なものと見なされてきた。また東アジア産のAristolochia亜属は2n=14(2n=12はまれ), Siphisia亜属は2n=28で特徴づけられるものと考えられてきたが, 今回の観察結果より, 2n=32は少なくとも東アジア産のSiphisia亜属では広くみられる染色体数であることが明らかになった。
- 日本植物分類学会の論文
- 1992-08-05
著者
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