抗凝固療法・抗血小板療法下における脳出血の検討

概要

論文の詳細を見る
非心原性脳梗塞に対する抗血小板療法,心原性脳塞栓に対する抗凝固療法は,いずれも脳梗塞発生を有意に抑制することは周知の事実である.一方,抗凝固療法,抗血小板療法により出血性脳卒中のリスクは有意に増加し,抗血小板剤使用による頭蓋内出血の危険性は0.2-0.3%/年,抗凝固療法使用では0.3-1.1%/年とされる.抗血小板,抗凝固療法による脳梗塞再発予防効果は出血性脳卒中のリスクを上回るため,これらの治療法は正当化される.しかしながら,出血性合併症は患者の転帰を左右する重大な合併症と考えられ,その特徴を知ることは,日常臨床上,対策を講ずるのにきわめて重要である.これまで,抗凝固療法中に合併した脳出血の急性期死亡率は43-54%と高率であること,高血圧,抗凝固療法導入早期,INR高値,leucoaraiosis,アミロイドアンギオパチー,糖尿病などは抗凝固療法下における脳出血発症に対する危険因子となりうることなどが報告されている.しかしながら,出血の病態や転帰など臨床的特徴に関する報告は少なく,また抗血小板療法下における脳出血の臨床的特徴に関する報告は筆者らが渉猟しえた限りではほとんど見受けられない.そこで,今回われわれは,自験例を対象に抗血小板,抗凝固療法下における脳出血の臨床的特徴について検討したので報告する.
日本脳卒中の外科学会の論文
2004-11-30

抗凝固療法・抗血小板療法下における脳出血の検討

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク