インドネシア, 西ジャワにおけるホームガーデンの植生とその利用特性に及ぼす都市化の影響
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概要
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インドネシアのホームガーデンは, その植生構造からアグロフォーレストとしての構造と機能を有し持続的な土地利用の1形態としてよく知られている.しかし, 近年の都市化によってその植生構造と植生の利用形態は変化しつつあると考えられる.そこで, 本研究は農村域, 都市近郊域, および都市域のホームガーデンの植生構造を調査し, 都市化による植物の種組成と利用形態の相違を検討することを目的とした.その結果, サンプル地区内の各地域で特異的に高い頻度で出現する種を分類できた.都市域において観賞植物の種数の割合が高く, 農村域において観賞植物の割合が低かった.都市近郊域ではそれらの中間であった.したがって, 都市化によってアグロフォーレストとしての構造と機能が消失しつつあることが明らかになった.庭の面積と種数の関係から, いずれの地域においても, 非観賞植物の種数のほうが面積の影響を受けやすく, 庭の面積が小さい場合には非観賞植物の減少が顕著であった.都市域では, 面積の小さな庭が多く, 非観賞植物の種数の減少が顕著であった.建物を基準として庭を前庭, 裏庭, および横庭に分けて検討したところ, いずれの地域においても, 前庭で観賞植物の種数の割合が高く, 裏庭と横庭で非観賞植物の割合が高かった.都市域においても, 裏庭や横庭には非観賞植物が維持されやすいことが明らかとなった.植生の階層構造と植生の利用形態の関係を検討したところ, 低い階層ほど観賞植物の種数の割合が高く, 高い階層ほど観賞植物の種数の割合が低かったが, その傾向は都市域で最も顕著であった.また, 都市域では, 高木層が欠けていた.
- 日本熱帯農業学会の論文
- 1998-06-01
著者
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