高信頼性酸窒化膜のフラッシュメモリトンネル膜への適用
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概要
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高信頼性フラッシュメモリの開発には、トンネル膜の信頼性改善が重要な課題の一つである。フラッシュメモリにおける書き込みと消去は、チャネルホットエレクトロンあるいはファウラーノルドハイム(FN)トンネルを用い、トンネル膜を通して、チャネルやドレイン近傍から電子を浮遊ゲートヘ注入したり、浮遊ゲートからソースやドレインに引き抜くことにより行われる。このとき、トンネル膜には8MV/cm以上の高電界が印加される。また、フラッシュメモリの応用範囲を広げるためには、書き込みと消去の繰り返し回数は、100万回以上であることが要求される。さらに、浮遊ゲートに注入された電子は、引き抜く動作をしない限り、浮遊ゲート中に10年以上の期間、保持される必要がある。これらのようにフラッシュメモリのトンネル膜には、高い信頼性が必要とされる。近年、トンネル膜の信頼性向上を目的として、酸窒化膜が研究されている。我々は、特にN_2Oを用いた酸窒化膜形成に着目し、酸窒化膜の信頼性を調べ、フラッシュメモリセルへの適用について検討してきた。酸窒化膜は、従来のドライ酸化膜に比べ、定電流ストレスに対する電荷トラップや界面準位の増加を抑制し、大きな絶縁破壊電荷を与える。本報告では、種々の酸窒化膜をフラッシュメモリセルのトンネル膜に適用し、フラッシュメモリセルの種々の特性を比較検討した結果について述べる。
- 1996-09-18
著者
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