さざ波顕微鏡と材料表面物性の定量的測定(I) : 測定

概要

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金属、セラミック材料や半導体ウエハーの欠陥画像化などのために光熱変換現象を利用した非破壊計測法が提案されている。ここで光熱変換現象とは、物質に光を照射したときに発熱に伴って生ずる様々な物理現象を指す。良く知られている光音響効果もその一例である。光熱変換現象を利用すれば、光ビームによって発熱を制御しながら熱や音を測定することで、物質の光学特性のみならず、熱特性や機械特性を調べることが可能となる。光学的には見えないものでも、熱特性や機械特性の差を利用して可視化できる。のみならず、測定に用いる光ビームの直径程度(〜数10μm)の空間分解能で、局所の熱拡散率、弾性率などの物性値を定量的に決定できる可能性がある。さらに、熱や音を光学的に検出できるならば、完全に遠隔的・非接触的な測定法ともなる。我々は、非接触かつ定量的な非破壊材料評価手法として、光熱変換変換現象を高い時間分解能で測定する過渡反射格子(TRG)法とさざ波顕微鏡を提案・開発してきた。TRG法では、ピコ秒レーザー光を用いて、かつ、サブμm〜数μm間隔の干渉縞を用いることで発熱分布を制御する。このため、微小領域での熱流解析や超高周波超音波(周波数:〜数GHz)の計測に適している。数10nm厚の薄膜の物性値測定にも応用できる。さざ波顕微鏡は、TRG法を画像測定に応用したものである。本発表では、さざ波顕微鏡の応用測定例を示しながら、材料表面物性の定量的測定といった観点からの可能性と問題点とを整理する。なお、超薄膜、固液界面等をはじめとして応用上重要な幾つかの系における理論的検討については、別に発表する[(II):解析]。
社団法人電子情報通信学会の論文
1995-09-05

さざ波顕微鏡と材料表面物性の定量的測定(I) : 測定

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