短パルス超音波を用いた薄板の音速測定
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概要
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レーザ超音波は非接触の超音波計測技術であることから、高温雰囲気での物性計測や有害環境下での非破壊検査といった分野への応用が期待されている。このレーザ超音波による物性計測の一つに、薄板試料の音速測定がある。通常、音速測定には二つの方法が用いられる。一つは、ラム波の分散特性から縦波及び横波の音速を決定するもので、伝播経路の平均的な音速を求めることができる。もう一つは、試料の厚さ方向に縦波パルスを伝播させ、そのエコーの時間間隔から音速を求めるものである。この方法では、局所的な音速を求めることが可能である。ただし薄い試料を対象とするためには、高周波の超音波パルスを用いる必要がある。従来は極短パルスレーザによって発生させた高周波超音波パルスを、PVDF薄膜や音響レンズにスパッタリングしたZnO薄膜等を用いて検出してきた。しかし、これらのトランスデューサを高温環境下で使用することは困難である。高温での音速測定を行うためには、光干渉法等のような完全に非接触な方法で音波を検出する必要がある。今回、パルス幅が30psの単一パルス光により発生させた超音波パルスを、広帯域の光干渉計を用いて検出した。厚さが20μmから200μmのステンレス薄板の音速測定を行った結果について述べる。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1995-09-05
著者
-
永井 聰
産業技術総合研究所計測標準研究部門
-
松田 洋一
産業技術総合研究所計測標準研究部門
-
永井 聡
計量研
-
秦 勝一郎
工業技術院計量研究所
-
秦 勝一郎
計量研究所
-
中野 英俊
産業技術総合研究所計測標準研究部門
-
松田 洋一
工業技術院計量研究所
-
中野 英俊
工業技術院計量研究所
-
永井 聰
工業技術院計量研究所
-
MATSUDA Youichi
National Research Laboratory of Metrology
-
Nagai Satoshi
Faculty Of Engineering Hokkai-gakuen University
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