生物的伝子工学系におけるクローン的形体生成系について

概要

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人間の機能に近似した人工的系について, 従来の伝送工学系の展開系である伝子工学系の立場から考えようとしている。伝子工学系の中心の系に意識伝子工学系があるが, その基礎系に生物伝子工学系がある。生体系の基礎的特徴は, 与えられた種子的1個細胞から出発し, 細胞分裂による多細胞の生産により, 先ず生命体としての成体的個体を形成し, 寿命期間これを維持するところにある。そして, その為の, 必要に応じた事態に応ずる態勢をとっている。その必要な事態とは, 生命力発揮, 維持のことである。それは, 生物的生命力と, それに基づく意識的生命力である。もし, 必要な生体部分が欠けた場合, 本来の状態に復帰させねばならない。問題は, 最初の卵的1個細胞に, 生物的種別に属する, 親から与えられた, その過去の遺伝子群由来の遣伝子を内包していることである。高等生物的系は有性 (精) 卵的遺伝連鎖系であるが, その基礎系として, クローン的, 無性 (精) 卵的遺伝連鎖系が考えられる。一般に全ての生体を構成する細胞は遺伝子的成分を内包し, その対面した状況に応じて, 種々の役割機能を持ったものに変態できる可能性を持つていると思われる。今回問題にしている種子的細胞系は, 生物系の最つとも基本的特徴である, 種別連鎖の要求に応じた系である。
社団法人電子情報通信学会の論文
1997-08-13

生物的伝子工学系におけるクローン的形体生成系について

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