CDMA方式におけるシャドウイング対策を考慮したシステム構成の検討

概要

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直接拡散CDMA方式では、遠近問題があるため、移動局(MS)における送信電力制御は必須であるが、この制御遅延によるシステムの不安定性は重要な問題である。特にマイクロセル環境下では、MSがビル陰等から出てくるシャドウイングにより、MSと基地局(BS)間の伝送路の状態が急激に変化する。上記MSがこのBSの送信電力制御下でない場合は、このBSに接続する他のMSの長時間の回線品質劣化を招き、システムダウンの可能性も生ずる。この課題に対し、MSの総受信電力レベルの増加にのみ追従性を持たせたオープンループと、TPCビットによるクローズドループの併用による送信電力制御方法が提案されている。この方法では、MSが送信パワを急激に減ずることにより、システムヘの影響を抑えてはいるが、このMSの回線品質は著しく劣化することが予想される。今回、この課題に対し、シャドウイング対策用の退避キャリアを配置し、受信レベルの変動に応じて周波数ホッピング(FH)を行うことで、シャドウイングによるシステムダウン及びMSの回線品質劣化の双方を低減する方法を提案した。
1994-09-26