イオン交換処理によるLiNbO_3光導波路デバイスのDCドリフト低減

概要

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Ti拡散LiNbO_3光導波路デバイスは、光通信分野において多くの応用が期待されている。しかしながら、電圧印加時に光出力が変化する、DCドリフトと呼ばれる現象が発生し、デバイスの長期安定性を阻害する原因となっている。DCドリフトの要因は、SiO_2バッファー層に起因するものと、LiNbO_3基板そのものに起因するものが考えられ、DCドリフトを低減させるには、SiO_2バッファー層の改善だけでなくLiNbO_3基板そのものの改善も必要と考えられる。DCドリフトの原因の一つに、イオン伝導による分極が考えられる。LiNbO_3基板中のLi は、容易にH とイオン交換することが知られている。DCドリフトの原因と考えられる可動イオン、H^+、Li^+ は、インゴットからのLiNbO_3基板の切り出し、研磨、そして、導波路形成プロセスのTi拡散時に基板中に導入されると思われる。本報告では、基板表面の可動イオンをアルカリ金属のカチオンとイオン交換することによりDCドリフトが低減する現象について述べる。
社団法人電子情報通信学会の論文
1994-09-26