単語の隣接関係情報に基づいた英語整序問題の部分採点法
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概要
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英語整序問題と採点法の問題点本研究で言う英語整序問題とは、予め単語の順序がばらばらに配列された文またはその1部を、正しい語順に並べ換えることを受験者に要求する問題である。信頼性が高く実用性にも大きな問題がないため、以前より大学入学試験、実用英語検定試験等で出題されている。整序問題の一般的な採点方法には、例えば7語並べ換えの場合、3番目と5番目に来る語を両方正解した場合に点を与える方法(平成4年以前の実用英語検定の場合)等があるが、これが最も妥当性が高い採点法と呼べるかには疑問がある。また、7語順完全正解を受験者に求める場合は、得点のばらつきは1問について0点か7点かの2者しかなく、多様な英語能力を持つ受験者を連続的なレベルに弁別することができない欠点がある一方、7語の順番に各1/7点の部分点を与える場合は、1つ間違うと後続語の順序が全てずれるという問題が生じる。このような従来の採点方法に対して、木村(1996)は、語の隣接関係情報(「この語の次にその語が来る」等)に基づいた部分採点法を新たに提唱したが、この採点法の最大の問題点はその実用性であった。手採点で語の隣接関係を1つ1つ探し出すことは非常に煩雑な作業であり、その実現の可能性は問題項目数や受験者数に大きく依存することになる。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1996-09-18
著者
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