兵庫県美方地域の比抵抗構造 : (<特集>地盤計測結果の応用地質学的評価)

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兵庫県北部地域は、一部に三郡変成岩類や超塩基性岩類の分布があるものの、大部分は白亜紀の火砕岩類(生野層群、矢田川層群)と白亜紀〜古第三紀の花崗岩類を基盤とし、新第三紀中新世の火山砕屑岩類や堆積岩(北但層群や照来層群)が広く分布している。また、小規模ながら、玄武洞、神鍋山、鉢伏山、扇ノ山などのアルカリ岩系の第四紀火山活動が知られている<1)>。このうち花崗岩類は比較的広い範囲に露出しており、兵庫県北部地域の基盤を形成していると考えられる。反面、北但層群や照来層群も数千mにおよんで厚く積成しており、その位置での基盤については明確ではない。花崗岩類分布域の近辺に、湯村温泉や城崎温泉など比較的高温の温泉が湧出しており、貫入に伴う周辺岩盤の割目の形成や花崗岩内の割目の存在によって、温泉水の通路や貯留層を形成していると考えられる。一方、兵庫県美方地域においては、近辺に花崗岩体は見当たらないものの、照来層群中に掘削された深度1000mの温泉ボーリングにおいて、高い地殻熱流量(3.89±0.19HFU)と、伝導型の地温勾配(6.01±O.01^℃/100m)が測定されている<2)>。これは湯村地域が花崗岩体に近い温泉で、あるのに対して、地下深部に花崗岩体が潜在している場合であると推察される。本論文では、CSAMT(Controlled Source Audio Frequency Magnet-Telluric)法<3)>およびTDEM(Time Domain Electromagnetic)法<4)-6)>電磁探査により地下深部の比抵抗構造を明らかにすることにより、基盤構造について検討した。
一般社団法人日本応用地質学会の論文
1996-02-10

兵庫県美方地域の比抵抗構造 : (<特集>地盤計測結果の応用地質学的評価)

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