分散協調通信プロトコル処理ASIC設計におけるメッセージ通過遅延最小化法

概要

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分散システムにおいて, ノード間を高速網でリング状に接続して通信回数を削減すると共に, 従来アプリケーションで実現していた負荷分散やフォールトトレランス等の協調機能を下位レイヤ通信プロトコルにマイグレーションすることにより通信オーバヘッドを削減する研究を進めている. このような分散システム全体の性能向上には, 各ノードでの通信メッセージ通過遅延の短縮が必要であるため, 通信プロトコル処理をLSI化した. 同LSIでは, 受信入力する通信メッセージとLSI内部に保持する状態データとを用い, 入力メッセージの経路制御(ホスト転送要否および中継送出要否の判定), 中継メッセージ中の所定フィールドの更新を行う. 従来, 必要なメッセージフィールド全体をバッファに受信後に処理を開始していたが, 本LSIでは, 各処理に必要なフィールドの受信完了を契機に対応するモジュール群を順次起動する, データ駆動型の分散制御方式を採用し, 機能をより徹底して布線論理制御化した. その結果, メッセージ更新・中継遅延が最大2.55μsとなり, 最小化が図れた. なお, LSIは, 0.35μm-CMOSプロセスのゲートアレーを用い, 約400kゲートで実現できた.
社団法人電子情報通信学会の論文
1997-09-25