マルチメディアコンテンツ転送向け高性能 TCP/IP通信ボードの構成と評価 (<特集>マルチメディア分散・協調コンピューティング)
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概要
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情報のマルチメディア化にともない, ネットワーク上を流れるデータ量は急激に増大している. 100Mbit/s以上の高速回線が使用可能となってきたが, マルチメデイア情報を扱うアプリケーションはその帯域を十分に利用できていない. それは, コンピュータ/端末における通信プロトコル処理に多大の時間を要するためである. 我々は, 従来のソフトウェア処理に代えてボード上のハードウェアでTCP/IPを高速処理する, ワークステーション拡張スロット装着用のATM通信ボードを開発した. 同ボードでは, TCP/IP系プロトコルの分析に基づいて得られた, TCP, IPヘッダの編集, 解析およびチェックサム生成, 検証の各基本機能と, イベント, タイマおよびバッファといった通信プロトコル処理一般のリソース管理機能とを有するTCP/IP処理LSIを搭載する. このLSIとファームウェアとが, 並列動作することにより, TCP/IPの高速処理を実現した. さらに, 標準のバスインタフェースによる省スペース(1スロット)実装, ファームウェア制御の採用によるサポート通信プロトコルの拡張性, コンフィグレーションの変更による既存アプリケーションへの影響(再コンパイル)回避, 通信パス振り分け機能の挿入による既存TCP/IPとの共存, という特徴を有する. 静止画像転送アプリケーションで116Mbit/s, ボードとしては155Mbit/s ATMのユーザ限界スループット(135Mbit/s)を達成した.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1998-02-15
著者
-
塩川 鎮雄
NTT情報通信研究所
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長田 孝彦
NTT情報流通プラットフォーム研究所
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山下 博之
NTT情報通信研究所
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山下 博之
NTT 情報通信研究所
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東海林 敏夫
NTT情報通信研究所
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塩川 鎮雄
Ntt情報通信研究所:nttソフトウエア株式会社ニュービジネス事業本部
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東海林 敏夫
Ntt情報通信研究所:nttアドバンステクノロジ株式会社情報ネットワーキング事業部
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