統計シミュレーションによるLSI故障分布関数の解析
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概要
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小規模な試料の試験結果から大規模なLSIの信頼度を予測することを目的に, LSIの故障時間が従う故障分布関数をシミュレーションにより解析した. LSIの要素技術に固有な故障分布関数を仮定し, これに従う乱数を発生させてLSI中の要素の故障時間とし, 要素中の最小故障時間をLSIの故障時間とした. この結果, 500個以上の要素を含むLSIの故障時間分布は, 要素の故障分布の関数形にかかわらず, 常にワイブル分布で高精度に近似できることを示した. LSIの故障時間は, LSI中の要素数Nと故障分布であるワイブル形状母数βに対し, N^<-1/β>の依存性をもって減少することを示した. 要素の故障分布が形状母数σ_0の対数正規分布に従うときLSI故障分布ではβ=3.4/σ_0の関係が成り立ち, また要素の故障分布がワイブル分布に従うときはLSIでも形状母数は変わらないことを見出した. これらの関係は近似式を用いた解析結果とも一致した. 一方, 要素のもつ故障分布の関数形がわからないときは, ワイブル分布と仮定すると信頼性上は安全な設計となることを示した. これらの結果に基づき, 試料による信頼性試験結果からLSIの信頼度を予測する計算方法を提案した.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1999-01-25
著者
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