RSA暗号の電力解析法による攻撃とその対策(情報セキュリティ基礎)

概要

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電子商取引では, RSA暗号や楕円曲線暗号などの公開鍵暗号が用いられる.暗号の安全性は暗号鍵に依存し, 暗号鍵はICチップ内部に格納されているため, スマートカードを用いれば, 安全であると考えられてきた.しかし, 90年代半ば以降, 暗号鍵をICチップを開封することなしに取り出す技術が相次いで発表された.特に, Kocherらによる電力解析は, 現実的なリソースで実施可能な攻撃であり, 様々な応用方法が考案されてきた.本論文では, RSA暗号のプリミティブである, べき乗剰余演算に対する電力解析法とその対策について検討する.特に, MessergesらによるSEMD, MESD, ZEMDへの対策をベースとして, なおも実施可能なWalterらのBig Mac攻撃, Chariらのテンプレート攻撃及び筆者らの攻撃を示す.また, 対策法を提案するとともに, スマートカード上での実装結果を示す.1024ビットべき乗剰余演算において提案法を用いれば, 未対策時の2倍弱の処理時間で十分な安全性を得ることができる.
社団法人電子情報通信学会の論文
2005-05-01