アフィン代数多様体上の線形符号
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
線形符号の真の最小距離を求める問題と, 最小距離復号を実現する問題と, 符号化率と相対最小距離と符号長を相対的により大にする線形符号を具体的に構成する問題とがある.特に, はじめの二つの問題は共にNP完全である.それ故, 真の最小距離のかわりによりよい設計最小距離に注目してこれらの問題の解決に少しでも近づくことが重要となる.そこで, 本論文は特にFeng-Rao設計最小距離に注目してこれらの問題に取り組む.まず, 任意一般の線形符号を対象にFeng-Rao設計最小距離を定義し直す.次に, 任意一般の線形符号を対象にFeng-Rao設計最小距離が保証する限界最小距離復号はFeng-Rao復号アルゴリズムで実現できることを示す.次に, 注目するFeng-Rao設計最小距離によい下界が現れる線形符号の族の特定とそれらの具体的な構成法を提案する.V.D.Goppaの理論をふまえたアフィン代数多様体上に定義される代数幾何符号の提案である.次に, それらの具体的な構成法, すなわち, 符号器, 復号器の装置化に必要となる情報のすべてを明らかにする.次に, それらはすべて少なくとも多次元RS符号の短縮符号としての構造をもつことを示し, Feng-Rao設計最小距離の下界に多次元RS符号の最小距離が現れることを示す.
- 1998-10-25
著者
関連論文
- 極位数に基づく重み順序から構成されるエルミート符号のFeng-Rao設計距離の最適性について
- Hermite曲線符号の単項式順序による構成法における最適な設計最小距離について
- たかだか一つの尖点を有する代数曲線上の符号に関する再帰的復号アルゴリズム
- 任意の平面曲線上に符号を構成する方法
- 代数幾何符号の数理 (代数曲線とその応用論文小特集)
- 符号・暗号--代数幾何・数論との出会い (特集 今日の応用数理)
- アフィン代数曲線上の線形符号
- アフィン代数多様体上の線形符号