アフィン代数曲線上の線形符号
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概要
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(n, k, d)線形符号は一般にn-k+1≧dを満たす.但し, nは符号長, kは情報長, dは最小距離である.本論文は, V.D.Goppaの理論をふまえて任意に指定された自然数g≧0に対してn-k+1≧d≧n-k+1-gを満たす(n, k, d)線形符号の一般的かつ具体的な構成法を提案する.論文[13]では任意のアフィン代数多様体上に代数幾何符号を定義しその具体的な構成法, すなわち, 符号器, 復号器の装置化に必要となる情報のすべてを明らかにした.また, そのFeng-Rao設計最小距離と限界最小距離復号法を明らかにした.また, Feng-Rao設計最小距離の下界に多次元RS符号の最小距離が現れることを示した.本論文では, 特殊なアフィン代数多様体(特殊ではあるが十分一般的なアフィン代数曲線)に関してはFeng-Rao設計最小距離に更に強力な下界(特異代数曲線上に拡張されたGoppa設計最小距離)が現れることを示す.V.D.Goppaによる非特異代数曲線上の1点代数幾何符号の特異曲線上への自然な拡張である.本論文で提案する定義方程式は特殊ではあるが十分一般的なアフィン代数曲線を定義することを示す.すなわち, まずそれらはすべて絶対既約なアフィン代数曲線を定義することを示す.次に, それらが定義する1変数代数関数体の全体は次数1の座を少なくとも一つもつすべての1変数代数関数体をおおい尽くすことを示す.この主張は, 提案する定義方程式に更に非特異を仮定しても成り立つことを示す.それ故, 本論文は特にV.D.Goppaによる非特異代数曲線上の1点代数幾何符号の一般的かつ具体的な構成法をも解決したことになる.
- 1998-10-25
著者
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