Hypercomplex係数伝達関数による二つの複素係数伝達関数の同時実現
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概要
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本論文では,Hypercomplex係数回路の四つの出力をすべて用いることにより,二つの複素係数伝達関数が一つのHypercomplex係数回路で実現可能であることを述べている.実現においては,二つの任意の複素係数伝達関数が共通分母をもたない場合ともつ場合とに分けて考える.前者については同次のHypercomplex係数回路で,後者については半分の次数のHypercomplex係数回路で実現できることが示される.このように共通分母をもつ伝達関数の実現は興味深いが,その伝達関数を得る方法は一般には知られていない.そこで,最適極決定アルゴリズムを含んだ,正周波数を近似域とする離散形Kautz近似法を提案する.これにより,二つの2n次の実係数または複素係数伝達関数から二つのn次の共通分母をもつ複素係数伝達関数が求められる.この方法は,振幅,位相を同時に近似する手法と言える.なお提案する近似法は正周波数域のみの近似であるため,負の周波数成分が零である解析信号の性質を積極的に活用することができる.結局,本論文で提案する手法によりフィルタ設計の自由度が増し,サンプリング周波数が1/2に低減できる等の利点に加え,回路構成の簡略化も図られる.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1995-10-25
著者
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