UMLと構造化手法(パネルディスカッション「UMLと構造化手法」)
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概要
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UMLと構造化手法を比較する場合、記述対象を明確にしておく必要がある。記述対象には幾つかの観点があると思われる。第一に、ビジネスモデル、システム分析、システム設計という記述対象の具体性の観点がある。第二に、機能要求と非機能要求という機能性の観点がある。第三に、ユーザインタフェース、制御、データモデルという構成上の観点がある.これらの観点ごとに、UMLと構造化手法を比較する必要があるだろう。具体性の観点では、ビジネスモデルやシステム分析の点では、ピジネスプロセスを記述するためにUMLでも構造化手法と同じように、機能モデルに近い表現が必要である。システム設計の点では、構造化手法が階層的なモジュール設計法であるのに対して、UMLではオブジェクトによる協調型のモジュール設計になる。ソフトウェア・アーキテクチャの観点から見ると、どちらの設計が良いかについては、モジュール化基準に基づいて選択することが重要である。このような基準には、アルゴリズム、データ構造、機能変更の容易性や、性能、再利用性などがある。また、構造化手法の場合、ビジネス段階とシステム分析段階の表記法が同じデータフロー図である。したがって、ビジネス段階からシステム分析段階までの追跡性の点では構造化手法のほうが優れている可能性がある。UMLでIDlF_0に基づいたビジネスプロセスを記述した場合、IDlF_0の機能モデルから、ユースケース図やクラス図を作成していく段階が必要になる。構造化手法ではデータフロー図がIDlF_0の機能モデルに相当するので、このような機能モデルからのユースケース図やクラス図への変換では、データフロー図からユースケース図やクラス図の対応関係を整理しておくと有効であると思われる。機能性の観点では、UMLでも構造化手法と同じように、非機能要求を記述する図式的な手段は提供されていないため、文章で記述することになる。ただし、UMLでは、オブジェクト制約言語(OCL)が提供されるので、オプジェクトごとに形式的な制約条件を記述することができる。構造化手法でも形式的な言語を用意することはできるだろう。構成上の観点では、UMLも構造化手法もユーザインタフェースを直接記述することはできない。しかし、どちらの手法に基づいても、3層アーキテクチャを考慮したシステム設計を実施することができる。UMLと構造化手法を用いた3層設計の対応関係を明らかにする必要があると思われる。構造化設計されたシステムをUMLで再設計する場合、直接変換するのではなく、データフロー図を作成して、ユースケース図に変換した上で、コラボレーション図を作成することも考えられる。このようにUMLと構造化手法について上述した関係を具体的に明らかにしていく必要があると思われる。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2003-03-04
著者
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