話速変換音声聴取に音声伸長量とポーズ長が及ぼす影響(聴覚・音声・言語とその障害, 一般)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
音声の話速を下げることによって, 聴取者は知覚処理・認知処理に対して十分な時間を与えられ, 音声了解度の向上が期待できる. しかし, テレビ放送や補聴器などのマルチモーダルな状況では, 音声と視覚情報の同期を維持するためには, 音声を伸長した分, ポーズを削減する必要がある. このとき, ポーズの削減が音声了解度に対して負の効果をもたらし, 音声伸長による正の効果が打ち消されてしまう可能性もある. そこで本研究では, 若年聴取者及び高齢聴取者を対象に, 音声伸長が及ぼす正の効果とポーズ長が及ぼす負の効果について検討するため, 提示音声の伸長量(0, +100, +200, +300, +400ms)とポーズ長(0, 100, 200, 300, 400ms)を操作した実験を実施した. 実験の結果, 若年聴取者, 高齢聴取者ともに, 伸長量に応じて文章了解度が向上した. 文章了解度が最高となるポーズ長は, 群間で異なる傾向にあった. フレーズ間ポーズが, アナウンサーの平均的時間長(400ms)である文章の場合, ポーズを200ms削減し, 音声伸長に割り当てることによって, 高い了解度が期待できることがわかった. ただし, 最適な話速・ポーズ長には個人差があった.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2005-02-24
著者
関連論文
- ISO/TC43・ISO/TC43/SC1・ISO/TC43/SC2総会 : 音響に関する国際規格の審議状況:2009ソウル会議
- 3-1 超臨場感音響の展開(3.超臨場感音響技術,超臨場感コミュニケーションの近未来像)
- DS-3-8 ADPCMを利用した情報ハイディングのビットレート制御(DS-3.マルチメディア情報ハイディング,シンポジウムセッション)
- DS-4-3 ADPCMを規範に用いたlogPCMへの下位ビット置換法の提案(DS-4. マルチメディア情報ハイディング,シンポジウムセッション)
- LogPCM及びADPCMへのMultiple Descriptionスカラ量子化の適用(研究速報,留学生による日本語技術論文)
- 親密度別単語了解度試験用音声データセット(FW03)に収録された単音節音声の雑音下における認知閾
- 運動誘発盲により主観的に消失した標的の知覚を即座に回復させる音の効果(日本基礎心理学会第28回大会,大会発表要旨)
- 自己運動知覚における視覚系と前庭感覚系とのマルチモーダル処理の時間特性(日本基礎心理学会第28回大会,大会発表要旨)
- 周波数変換帯域雑音音声を用いた聴覚リハビリテーションに関する模擬的検討(2) : 視覚情報(発話顔画像)を提示した訓練の効果について
- 周波数変換帯域雑音音声を用いた聴覚リハビリテーションに関する模擬的検討(1) : トレーニング時の正答フィードバックの重要性について