音素カテゴリーの発達 : 劣化した音声による検討
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概要
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音素カテゴリーの発達を調べる目的で, 日本人女性の発音した単音節/ba/と/da/と(clear刺激), それに低域通過フィルターをかけて劣化させた音声(lowpass刺激)を用い, /ba/と/da/の弁別課題を行った(実験I)。被験者は, 3歳, 7歳, 11歳, 20歳の各10名であった。clear刺激に対する正答率はどの年齢群でも高く, 年齢による違いは見られなかった。lowpass刺激では, 7, 11, 20歳群相互には差が見られなかったが, 3歳児では/ba/と/da/どちらの刺激にも「バ」と回答する傾向があった。この, 3歳児のlowpass刺激に対する反応の偏りの原因が, 刺激音声の不明瞭さにあるのか, フィルターをかけたために起こったのかを調べるために, ホワイトノイズを加えた音声(noisc刺激)も加えて, 大学生28名と3歳児7名で比較検討したところ(実験II), noise刺激では3歳児でもある程度弁別できることが分かった。3歳児は, フィルターをかけた音声の質的な変化に敏感, すなわちmagnet effectが弱いといえる。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1999-07-08
著者
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