ニードルレンズCCD生体顕微鏡を用いた心臓リンパ管のイメージ解析

概要

論文の詳細を見る
心血管循環は動脈・静脈およびリンパ管により構成されているが、心リンパ管の特性についてはあまり知られていない。我々はニードルレンズCCD生体顕微鏡を用い、麻酔開胸犬の心拍動下におけるリンパ管構造をそれぞれ心内膜側・心外膜側にてイメージング化した。また心リンパ管動態を評価するため心外膜リンパ管径の拍動変化を異なる心収縮力下で測定した。その結果リンパ管のネットワーク構造および弁構造を明瞭に観察することができ、リンパ管径の心周期変動にはリンパ管の個体差が大きく、全体として有意な変化はなかった。また、観測期間中リンパ管の自発収縮は認めなかった。収縮力を変化させても、心周期内のリンパ管径変動はほとんどなかった。その理由として量的に心臓リンパが1時間数mlと少ないため1心拍の拍動特性が少ないことと、メカニカルに心筋内圧、変形、エラスタンスによる遮蔽効果、リンパ管の弁特性、流路抵抗などの変化が互いに影響しあって微小変形のみにとどまったものと推論された。
社団法人電子情報通信学会の論文
1999-07-15