2入力トランス方式プッシュプル昇降圧形高力率コンバータにおける定常特性の解析(電子通信用電源の力率改善・高調波抑制技術論文小特集)

概要

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2入力トランス方式は,装置の小形・高効率化を目指し筆者らが提案した高力率コンバータの回路方式である.本方式においては,交流入力と直流出力の瞬時電力の差を,トランス1次側に設けたエネルギー蓄積コンデンサの充放電により処理することによって,入力電流波形の正弦波化と出力電圧の安定化が可能である.従って,大半のエネルギーは1段の変換回路で出力へ供給でき,また小容量の出力コンデンサで出力電圧の入力交流周波数リプルを低減できる.更に,入力電流を連続モードで動作させることにより,入力フィルタの小形化や導通損の低減が図れる.本論文では,本方式にプッシュプル昇降圧形を適用した回路について検討する.本回路においては,スイッチを流れる電流の実効値を低減するために出力電圧制御のパルス幅を広げようとすると,入力電流波形制御のパルス幅に制限が必要となる.この制限のために生じる入力電流波形ひずみの特性と,高調波電流特性および低損失化を考慮した最適化手法を導出し,高力率と効率88%を実現した.
社団法人電子情報通信学会の論文
1995-11-25