マスクされた点字の同定における学習モダリティの効果
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概要
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点字初学者が経験する困難の知覚的側面に焦点を当て検討した.12名の晴眼者が実験に参加した.彼らは,点字の学習段階において触覚学習群と視覚学習群に分けられた.学習成立後,彼らは点字を触察し同定した.点字はマスクパタンと同時呈示された.実験の結果,どちらの学習群でも,点字文にもっとも近いと思われる密度が低いドットマスク条件で,マスク効果が最大だった.ただし,この効果は,触覚学習群においてのみ,マスクの種類を教示することにより弱まった.実験結果から,マスク効果が点字触読を困難にするひとつの要因であることが示された.ただし,触覚特有の情報を適切に利用することでその効果を弱めることが可能なことも示唆された.
- 1999-06-18
著者
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高野 陽太郎
東京大学大学院人文社会系研究科心理学研究室
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高野 陽太郎
東京大学人文社会系研究科
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高野 陽太郎
東京大学文学部
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大久保 街亜
日本学術振興会
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大久保 街亜
東京大学大学院
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高野 陽太郎
東京大学大学院人文社会系研究科
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