メディア環境の変化とコミュニケーション行動

概要

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ここ2、3年の日本のメディア環境の変化は歴史的にみても特筆すべきものがある。93年まで12%前後で低迷していたパソコンの世帯普及率が95年に一気に20%を越え、ワープロを合わせると今や6割以上の家庭に浸透し、携帯電話も今年2月には世帯普及率10.6%と昨年同時期からほぼ倍増した。一時伸び悩みが懸念されたパソコン通信も96年6月には1年で約200万人会員が増加し、加入者は延べ573万人に達している。インターネット利用者の実態を把握することは困難であるが、各種調査からの推計で現在、日本で少なくとも200万人が利用しているとも言われている。10年前には絵空事であった「電子ネットワーク社会」が形の上では今まさに実現しようとしている。とくに情報生産・通信にかかわるメディア環境の変化は、我々の言語行動や対人コミュニケーション関係に少なからぬ影・響を与えている。ここでは多岐にわたる局面から、(1)話す・間くを中心とした言語行動の変化、(2)新しいメディアと対人関係(とくにテレビゲームの影響)、の2点を取り上げ、動態の傾向を垣間みたい。
社団法人電子情報通信学会の論文
1997-03-06